planet;nakanotori

天文・鉱物・その他。調べたことや自分用のメモなどを書きます。

赤経・赤緯を時分秒・度分秒から十進法表記に変換する(逆もあり)

◆赤道座標*1赤経(時分秒)・赤緯(度分秒)を角度(十進法)に変換 

赤経 ( α[h],  β[m],  γ[s] )

α*15 + β*15/60 + γ*15/3600   [deg]

赤緯 ( α[deg],  β[m],  γ[s] )

α + β/60 + γ/3600   [deg] 

  

◆逆に、角度(十進法)を時分秒や度分秒に変換

赤経 ( α[deg] )

: floor(α/15) [h]*2

: floor( ( α/15 - floor(α/15) )*60) [m]*3

: { ( α/15 - floor(α/15) )*60 - floor( (α/15 - floor(α/15) )*60 ) }*60 [s]*4 

赤緯 ( δ[deg] )

: floor(δ) [deg]*5

: floor( ( δ - floor(δ) )*60 ) [m]*6

: { ( δ - floor(δ) )*60 - floor( (δ - floor(δ) )*60 ) }*60 [s]*7

 ※赤緯δは符号が負となる場合がある。まずδの絶対値で度分秒を計算し、最後に符号を付けるのがオススメ。

  

計算の具体例

 実際の天体の具体的な座標を使用して、順を追って計算します。

例として輝星星表*8からベガとアクルックス*9赤経(時分秒)・赤緯(度分秒)を抜粋。HRは輝星星表の番号。RAが赤経(Right Ascension)・DEが赤緯(DEclination)です。

HR Name RAh RAm RAs DE- DEd DEm DEs
7001 Vega 18 36 56.3 + 38 47 1
4730 Acrux 12 26 35.9 - 63 5 57

輝星星表に固有名は無いので、Name列は私が勝手に書き込んだものです。

 

◆ベガの赤経(18h 36m 56.3s)を変換

18*15 + 36*15/60 + 56.3*15/3600 = 279.2345833 [deg]

↺ 求めた値を再び時分秒に変換

279.2345833/15 = 18.61563889 ・・・①

①の小数点以下を切り捨て→18 [h] ・・・①´

(① - ①´)*60 = (18.61563889 - 18)*60 = 36.93833333・・・①´´

①´´の小数点以下を切り捨て→36 [m]・・・①´´´

(①´´ - ①´´´)*60 = (36.93833333 - 36)*60 = 56.3 [s]

以上から、再び赤経(18h, 36m, 56.3s)が得られた。

  

◆アクルックスの赤緯(-63° 5m 57s)を変換

-63 + 5/60 + 57/3600 = -63.09916667 [deg]

 ↺ 求めた値を再び度分秒に変換

まずマイナス符号を取って絶対値で考える→63.09916667 ・・・②

②の小数点以下を切り捨て→63° ・・・②´

(② - ②´)*60 = (63.09916667 - 63)*60 = 5.95 ・・・②´´

②´´の小数点以下を切り捨て→5 [m] ・・・②´´´

(②´´ - ②´´´)*60 =(5.95 - 5)*60 = 57 [s]

最後にマイナス符号を付けて、再び赤緯(-63° 5m 57s)が得られた。

 

<ここから書き途中>

 

◆ついでに角度をラジアンに変換 

ラジアン

*(π/180) [rad]

ラジアン

(/3600)*(π/180) [rad]

 

 

*1:

astro-dic.jp

*2:αの床関数。αの小数点以下を切り捨てたもの。Excelの関数ならTRUNC(α/15)ないしROUNDDOWN(α/15, 0)と同等。

*3:元のαからを引いたものに60をかけ、小数点以下を切り捨てたもの。

*4:の計算時に切り捨てられた小数点以下の部分に60をかけたもの。

*5:δの床関数。δの小数点以下を切り捨てたもの。Excelの関数ならTRUNC(δ)ないしROUNDDOWN(δ, 0)と同等。

*6:元のδからを引いたものに60をかけ、小数点以下を切り捨てたもの。

*7:の計算時に切り捨てられた小数点以下の部分に60をかけたもの。

*8:輝星星表のデータを取得する - planet;nakanotori

*9:みなみじゅうじ座α星