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天文・鉱物・その他。調べたことや自分用のメモなどを書きます。

手動の真空ポンプと真空槽を作る

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ちょっとした実験や実用目的(脱泡など)で手頃かつ安価な真空槽が欲しいなと思ったので作りました。ポンプは市販のシリンジ、真空槽は無印良品のアクリルポットを使っています。材料を揃えた時点でちゃんと写真を撮っていなかったので簡単なメモ程度の記事です。

 

真空槽

アクリルポットはこれ。肉厚のアクリル材なので強度があり、値段も安く丁度よかった。もちろん真空対応を謳っていないので自己責任です。

 

 

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蓋の部分にパイプを通す穴を開けます。適当な長さに切ったパイプを穴に挿し、固定します。固定には何らかの接着剤を使うつもりでしたが、今回は試しにUVレジンを使用してみました。パイプと穴との隙間になるべくレジンが入るようにしてから硬化処理をします。強度が出るよう追加でレジンを円錐状に盛りました。

今回はアルミにしましたが、アクリルや塩ビなどでも大丈夫だと思います。

 

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気密をつくるためパッキンが必要です。既製品に丁度いいものが見つけられなかったので自作しました。10cm角のシリコンゴムシートをポットにあてて、油性ペンでキリトリ線を書き、カッターで切ればOK。フリーハンドなので少しいびつです。

シートはハンズで450円くらいしたのですが、後日SeriaでUVレジン用品のコーナーに作業用のマットとして同じくらいのサイズのシリコンゴムシートを見つけたので、そちらのほうが安上がりです。

 

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エアー用のきちんとしたホースは高価だったので、観賞魚の水槽用のものを買いました。350円くらいでした。なるべく肉厚のものを選ぶのがポイントです。内径はなるべくシリンジに合うもの選び、真空槽側のパイプをホースに合うものにします。オス側が太くて入らないときはホースが焦げない程度にライターなどで炙って熱した状態でねじ込みます。オス側が細くてゆるい時はオス側にセロテープ等を巻いて直径を水増しすると良いでしょう。

 

ポンプ

ポンプの作り方は検索すると色々出てきます。

作り方の参考サイト(ポンプ部分)

真空を作ってみよう 〜注射器真空ポンプの製作〜|おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)|国立大学56工学系学部HP

 【プラズマ発生中】注射器減圧ポンプでグロー放電【その4】 - 煮物運輸のページ

 

2つのサイトで少し作り方に違いがあります。上のサイトは写真が多く丁寧に順序を説明しているので、先に読むのがおすすめです。両者ではとくに排気弁の取り付け位置が異なり、私は下のサイトの位置にしています。シリンジはハンズで300円くらいで売っていたものです。弁は真空槽のパッキンに使用したシリコンゴムシートが流用できます。すべてセロテープで付けています。

  

 排気弁はシリンジの側面につけるやり方もあるようですが、円筒の底部分に付けるほうがギリギリまで空気を掃き出せるような気がしたので、底部分にしました。コツはとくにありませんが、シリンジ内面に塗られている潤滑剤が石鹸で軽く洗ったくらいでは落ちてくれなかったので、エタノールでリンスしました。

 

使ってみる

とりあえず真空引きするとなるとマシュマロかな、という気がしたのでやってみました。※一応書きますが、生き物は中に入れないようにしましょう*1

 

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左が真空引き後のマシュマロ

 常圧に戻すと元のサイズより小さくなるのは、膨張した際に内部の気泡が破裂したからでしょうか。味はとくに変わりませんが、食感がすこし固くなったかなという程度の変化でした。

 

*1:さすがにカビや細菌などは仕方ないです