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輝星星表のデータを取得する

輝星星表のデータを取得します。

 

【まめちしき】

輝星星表とは、6.5等よりも明るい*1天体のデータベースです。イェール輝星星表とも。肉眼で見える天体のカタログと考えて良いです。主な星表のカタログナンバーや座標データ、実視等級、固有運動などが含まれています。ヒッパルコス衛星以前からある星表ですがJ2000の赤道座標もあり、星座早見やちょっとした星図程度なら十分実用になります。

 

Yale Bright Star Catalog ここからダウンロード出来ます。

f:id:love_and_sessue:20181018155023p:plain

 http://ftp://dbc.nao.ac.jp/DBC/NASAADC/catalogs/5/5050/ ここからでもOK

どちらからDLするにせよ、3つのファイルがあります。

ReadMe  ・・・データの説明書

catalog.dat.gz  ・・・星表本体

notes.dat.gz  ・・・星表の注釈

 

とりあえずカタログ本体をメモ帳で開くと、こんな風景になっています

f:id:love_and_sessue:20181018160021p:plain

 固定長のデータで区切り文字は無し。データ本体にはインデックス行も無いので、コンピューターにはやさしくても人間にはわかりにくいですね。

 

使い方はReadMeを参照します。Byte-by-byte Description of file: catalogという行から下がデータのインデックスの説明になっています。

f:id:love_and_sessue:20181018161716p:plain

 つまり輝星星表の何文字目から何文字目までが何のデータなのかという説明です。一番上のデータの場合、「星表の1文字目から4文字目は輝星星表における星の番号で、HRというラベルです」という説明になっています。星の名前を指し示すとき、カタログの番号が併記されることがあり*2、例えば"HR 2491"といえば輝星星表の2491番の星*3ということになります。

 

5文字目から14文字目まではバイエル符号やフラムスティード番号、

76文字目から90文字目まではJ2000の赤経赤緯

103文字目から107文字目までは実視等級が割り当てられています。

 

後は好きなプログラムで読み込むなどすれば良いでしょう。

一例としてExcelで区切り文字数を指定して読み込み、列ごとのラベルを付すと以下のようになります。f:id:love_and_sessue:20181018165800p:plain

二列目はバイエル符号やフラムスティード番号があったりなかったりするので、この列のデータを利用する際は少し整理・分割したほうが良さそうです。赤道座標はReadMeの記載通りに時・分・秒などで区切ってそれぞれに列を割り当てましたが、列をまとめて十進数表記にしたいケースも多いでしょう*4

ちなみに最終列(197文字目)は注釈の有無を示すもので、 * が付されている行については notes.dat.gz に注釈があります。

 

 

ヒッパルコス星表の取得のやり方はこちらを参照してください。

coelostat.hatenablog.com

*1:7等前後もちょっと含まれている

*2:星に固有名がなければカタログ上の番号を示す他ない

*3:ちなみにシリウスです

*4:時分秒および度分秒の座標を十進数の角度表記に変換したいときはこちらを以下を参照

赤経・赤緯を時分秒・度分秒から十進法表記に変換する(逆もあり) - planet;nakanotori